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2013年5月27日月曜日

[どうぶつしょうぎ] 相腰掛ゾウ定跡9手目からの変化

図1は相腰掛ぞう基本定跡の9手目。
先後手最善を尽くした場合、あと67手で後手が勝つ局面。


定跡通りなら▲B2キリン とゾウをとり、△同ライオン、▲A3ゾウ打 と続く。 しかし実戦では有力な変化があるところなので、それらの変化を見てみよう。

先手▲C3キリン は△同ゾウ で失敗。
▲同キリン、△B3ヒヨコ で先手万事休す。

そこで図1から▲A3ヒヨコ打、△B1ライオンと進む変化が有力になる。
先手の次の手は、▲C3キリン上(36手後手勝ち)、▲C3キリン寄(54手後手勝ち)が有力な応手になる。
図1 △C2ゾウ打 まで

▲C3キリン上の変化


▲A3ヒヨコ打、△B1ライオン、▲C3キリン上、△B3ゾウ

まずは、▲A3ヒヨコ打 とライオンを下げさせてから C4のキリンが上がる変化。
この手順の棋譜は こちら

後手は△B3ゾウと中央のキリンをとる。△C3ゾウと端のキリンをとっても勝ち局面は変わらないが、 そのあと最善を尽くしても100手以上ともつれてしまう。

図2 △B3ゾウ まで


ゾウ・キリン総交換


▲B3同ライオン、△C3ゾウ、▲C2ゾウ打、
△C1ライオン、▲C3ライオン、△B2キリン打


先手は後手ゾウをライオンで取り、後手はさらにキリンを取り込んでキリン/ゾウの総交換に進む。

▲B3同ライオンとせずキリンで取ると、△C2ヒヨコ打の対応が難しい。 ▲B2キリンとゾウをとっても簡単に後手勝ちになるので▲A4ライオンと粘るくらいしかない。 後手はいろいろ勝ち筋があるが、△C4キリン が好手で先手は手詰まり気味になり寄ってしまう。

△C3ゾウ に対して即 ▲同ライオン とすると ▲C2ヒヨコ → ▲C3キリン で寄り筋になってしまう。 いったん▲C2ゾウ打 を入れてからC3のゾウをとる。
盤面が狭いので盤上に駒が少ない状態でライオンが接近すると一気に寄るので、王手でない時はこのように一手入れておくのが有効な場合が多い。
図3 △B2キリン打 まで


ヒヨコ得で後手優勢へ


▲B3ゾウ、△B1ライオン、▲A2ゾウ、△同キリン、
▲同ひよこ、△C2ヒヨコ打、▲C4ライオン、△A2ライオン


後手はライオンを中央に戻してから、A筋のヒヨコを狙う。
キリン/ゾウ交換でヒヨコ得をして優勢。

▲C4ライオンのところで、▲B3ライオンとしても△C3キリンとされ結局はA2のヒヨコをとられる上、包囲網まで形成されてしまいかえって悪くなる。

先手は ▲A2ゾウに替えて▲A2ゾウ打 と応じる手もある。双方最善の場合、▲A2ゾウ より2手早く終局するがこれも有力な変化。 以下、△C1ライオン ▲C4ライオン △C2ヒヨコ打の展開になる。(→ 棋譜

図4 △A2ライオン まで



後手勝勢


▲B3ゾウ打、△B2ライオン、▲A2キリン打、△C1ライオン

先手はB3ゾウ打から反撃を図るがいかんせん駒が足りない。
この後は後手の優勢は揺るぐことなく、あと17手ほどで後手勝ち。

完全解析ツールはここから▲C2ゾウ、△同ライオン、▲C3ヒヨコ打 とやや自爆気味の手順を示したが、 ▲C2ゾウ に替えて▲B4ライオン と粘っても △C3ゾウ打と責められて同手数で後手勝ちになる。 △C3ゾウ打の後は、△B1ライオンとしてから△A1ヒヨコ打などの責めが厳しい。
図5 △C1ライオン まで



「▲A3ヒヨコ打、△B1ライオン、▲C3キリン寄」の変化は 次回 見てみよう。

2 件のコメント:

  1. ヒヨコ得で後手優勢へで▲B3ゾウ、△B1ライオンで普通▲A2ゾウ打をすると思うのですが、そうするとどういった戦局になりますか?

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  2. ラブグッドルーナさん、こんにちは。
    ▲A2ゾウ打も有力な応手のようなので調べて追記しておきました。終局まで▲A2ゾウより少し早くなりますがこちらも結構難しそうです。
    ▲A2ゾウ打の場合の双方最善の手順も載せておきましたのでご参考までに。

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